直接体験で生きる力を身につけよう!体験が大切な理由とおすすめの体験を詳しく解説!
子どもが「生きる力」を身につけ、自身で自分の人生を切り拓いていければ、親としても嬉しいですよね。生きる力を習得できるひとつの方法として、「直接体験」があります。
小学生時代にさまざまな体験をすることは子どもの性格形成に繋がり、将来にもよい影響を与えてくれると言われています。
ここでは、小学生の体験活動の大切さに加え、身につく力などについてもまとめました。ぜひ参考にしてください。
そもそも体験活動とは?
体験活動とは、その名のとおり、自分の身体を通して実際に経験する活動を指します。子どもが自ら積極的に関わり、さまざまなことを吸収していきます。
体験活動には、3つの体験があります。
自分が実際に関わっていく「直接体験」、テレビやインターネットを通じて感覚的に学べる「間接体験」、シミュレーションなどを通じて模擬的に学べる「疑似体験」に分けられます。
しかし、インターネットが発達した今では、VRやオンラインなどで「間接体験」や「疑似体験」の機会が圧倒的に多くなっているため、子どもの成長にとってよくない影響を与えているのではないかと問題視されています。自然や地域社会との関わりが希薄になり、深く考える機会が低減してしまう可能性があるからです。
そのため、子どもの成長や学びを促進してくれる人や自然などに実際に触れ、積極的に関わっていく「直接体験」が重要なのです。
なぜ直接体験することが大切なのか?
では、なぜ子どもが直接体験することが大切なのでしょうか。
実は、文部科学省においても直接体験に関する意義が唱えられているのです。
直接体験には、「自然体験」「社会体験」「文化的体験」などがあります。そのうち、自然体験については、以下のようなデータを得られています。
引用元:文部科学白書2016
子どもの体験活動と意識の関係をチェックしてみましょう。自然体験が豊富な子どもは、自己肯定感や道徳観・正義感が高い傾向があります。
(※本調査の対象者は小学4年生~小学6年生、中学2年生、高校2年生)
引用元:文部科学白書2016
子どもの頃の体験と大人になってからの資質・能力との関係を見てみましょう。
子どもの頃に自然体験や友達との遊びなどの体験が多い人ほど、大人になってからの人間関係能力や自尊感情といった資質・能力が高い傾向があります。
(※本調査の対象者は、20代から60代の成人)
つまり、子どもにとって直接体験が必要な理由は、「自分で考えて行動できるようになる」「人の気持ちを思いやれるようになる」など、その後の成長によい影響があるからだと言えるでしょう。
直接体験することで身につく力
子供の頃の体験は、その後の性格形成に大きな影響を与えると言われています。
先ほどの結論も踏まえて、どのような力が身につくのかをひとつずつ解説していきましょう。
自己肯定感
自分自身を大切に感じ、自分の存在意義を認められる感覚が自己肯定感です。
子どもが何かに挑戦したい気持ちが芽生えたとき、その行動の土台を支えるもの。一歩踏み出すためには、まず自分に自信を持てるかどうかが重要なのです。
たとえば、友だちとキャンプをしたとしましょう。
キャンプでは、テントたてや自炊などさまざまなことにチャレンジしたり、友だちと助け合ったり、時にはぶつかり合ったり。多くの出来事を乗り越える経験を体験することで、自信がついていきます。自信に伴って、自己肯定感も大きく育まれていきます。
人間関係力
人間関係力とは、初対面の人ともスムーズにコミュニケーションが取れる、人の話をきちんと聞いて信頼関係を構築できる、意見の異なる人とも話し合いができるなど、人生において人間関係を築くために必要な力です。
直接体験でさまざまな人と関わりを持っていくなかで、お互いを尊重し、時には衝突しながら、人間関係力も少しずつ身についていきます。
協調性
協調性とは、自分と異なる立場や意見が違う人とも協力して、同じ目標達成に向けて行動できる力を指します。協調性は、周りにいる人と関わることで育まれていきます。
とくに、子ども時代には家族や周りの友だち、先生と関わっていくなかで、「一緒に何かをすることは楽しい」という思いが芽生えます。また、相手の気持ちを想像したり、相手の気持ちに寄り添ったりすることも徐々にできるようになっていきます。
興味、関心、意欲
直接体験が多いほど、興味や関心、意欲が高くなる傾向があります。
たとえば、アウトドア活動に参加すると自然とたくさん触れ合えますよね。「なぜこの葉っぱはこんな形をしているのだろう?」「なぜ今日の雲はあんなに速く動いているのだろう?」など自分で疑問を持ち、自分なりに調べて自然を深く理解しようとします。
好奇心が満たされ、興味の幅も広がり、「知りたい」「学びたい」という意欲が湧いてくるでしょう。
道徳観
道徳観とは、個人や小さな集団のルールに基づき、ものごとの善悪などを判断するものの見方を指します。
直接体験で多くの人と関わりを持つことは、集団におけるルールを学べる最適な機会。子どもは、「これはしてはいけないことだ」「これはルールに違反することだ」など、体験を通して道徳観を身につけていきます。
問題解決能力
自身で問題解決に臨む問題解決能力も身につくでしょう。
直接体験、とくに自然体験では、「雨が降ってきた!でも、木が多いところに集まれば雨をしのげる」「枝を掴んで少しずつ木を登ったら高いところまで登れた!」など、子どもは解決策を自分なりに考え、答えを見つけ、解決していきます。
決まった正解がない環境で、自分で考えられる機会がたくさんあるからこそ、問題解決能力は育っていくと言えるでしょう。
直接体験では、いわゆる子どもの「生きる力」を育むことに繋がります。
生きる力については、以下の記事も参考にしてください。
自然が生きる力をはぐくむ!コロナ禍の時代だからこそ自然に触れる機会を! (miraii.jp)
夏休みは小学生の「生きる力」を育むチャンス! (miraii.jp)
子どもに「生きる力」を育むためには? (miraii.jp)
子どもにおすすめの直接体験とは?
直接体験のメリットは理解できたけれど、具体的にどのような経験を子どもにさせてあげればよいのか分からない…。難しく考える必要はありません!
この項目を参考にして、できることからチャレンジしてみてください。
キャンプや海水浴などの「アウトドア体験」
アウトドア体験は、直接体験の中でもメジャーなものと言えます。
たとえば、山登りやキャンプ、アスレチック、海水浴、バーベキューなどが当てはまります。親子で楽しめるものが多いので、一緒に出掛けてみるのもよいですね。
また、子どもだけで参加できるサマーキャンプやスキー体験を開催している団体もありますので、積極的に参加させてみるのもおすすめ。子どもの自立心や自主性、協調性などを育むことが可能です。
たとえば、以下のような団体があります。
公園や散歩などの「外遊び」
なかなか忙しくて子どもを遠くに遊びに連れていけない、と悩んでいませんか?
大丈夫、キャンプ場やアスレチック場に行くために、遠くまで外出する必要はありません。直接体験は、近くの公園で遊んだり散歩したりなど身近な場所でもOKです。
たとえば、公園での砂遊びは、子どもの発想力や想像力を育んでくれます。
砂でお城や山、ケーキなどを作った経験はありませんか?こんなお城があったらいいな、山に枝をさしたら木のようだな、と子どもは自分なりに考え、砂で自由に表現します。このように、発想力や想像力が養われていきます。
また、公園でいろいろな生き物や草花を見つけることも多いでしょう。「この虫は何でこんな形をしているんだろう?」「この花は何ていう花だろう?」といったように、子どもの興味や関心を高めてくれます。
田植えや収穫などの「農業体験」
田植えや稲刈り、野菜の収穫などを経験できる農業体験もおすすめです。
自然と触れ合えるほか、食育に繋がるというメリットもあります。野菜を育てる大変さや流れなどを理解できるため、食べ物への感謝が深まるでしょう。
自分で栽培や収穫を行うことから、愛着がわき、食わず嫌いの予防にも有効に作用するかもしれません。
農業はまだハードルが高いと思う人には、家庭菜園から始めてみても。
子どもにとって野菜や花を一から育てていくことは、それまで感じたことのなかった楽しさを感じられます。
野菜の成長の流れや、葉っぱや花の形、実のなり方…。家庭菜園でも新しい発見がたくさん。子どもは多くの知識を吸収できるでしょう。
農業体験ができる子ども向けのポータルサイトもあります。
さまざまな仕事を体験できる「職業体験」
職業体験は、多種多様な職業の仕事を体験できるプログラムです。
職業体験施設のほか、ホテルや鉄道会社などの一般企業も、子ども向けの職業体験を提供しています。
実際に興味がある仕事を体験することで知的好奇心が満たされたり、コミュニケーション能力が磨かれたりと、子どもの成長に大きく貢献するでしょう。
職業体験ができる代表的な施設としては、キッザニアやキッズプラザなどがあります。
工作やアートなどの「ワークショップ」
ワークショップとは体験型講座のことです。講師から直に教えてもらいながら、実際にさまざまなことを体験できます。
子ども向けのワークショップとしては、工作や絵、プログラミング、洋裁など。ものづくりの楽しさを学べるうえ、「どうやったら先生のようにうまくできるんだろう?こうしたらいいかもしれない!」というように、問題解決能力も身につきます。
実験や体験もできる「工場見学」
工場見学は、視覚のほか、聴覚、嗅覚、触覚、味覚といった五感をフルに使って、ものづくりを体感できる点が大きなメリット。
実際に自分で実験をしたり、体験したりできるところも多くあります。
体験することで、ものづくりへの興味や関心を高められるでしょう。「自分もこんな仕事をやってみたい!」と、将来の夢もできるかもしれません。
工場見学については、以下の記事も参考にしてください。
小学生にとって工場見学はいいことづくめ!参加しておきたい魅力満載の工場11選 (miraii.jp)
子どもが直接体験するうえで親が注意しておきたいこと
ここでは、子どもが直接体験をするうえで親が注意しておきたいことをまとめました。子どもの自立心や主体性を育むには、過度に手出しや口出しをしないことが大切です。
過度な口出しはせず見守ること
過度に口出しをしてしまうと、子どもは親にどんどん甘えてしまいます。
子どもが自分の力で課題を解決しようとしているときに、「そっちに行ったら危ない」「これはこうするとよい」などと大人が仕切ってしまっては意味がありません。
「ちょっと危ないな」「ここはこうした方がよいのに」と思ったとしても、そこは黙って見守ってあげましょう。「一生懸命考えて、自分でできた」という達成感は、何よりも子どもの成長や自己肯定感などを育ててくれます。
あえて小さな危険を体験させることも大切
子どもの安全に関しては、当然ですが大人がしっかりと守らなければいけません。
「ここは危険な動物がいるかもしれない」「草が茂っていて子どもがケガをしそう」「あまり高いところまで木登りはさせない方がいいかな」というように、子どもにとって危険だと思われることはいくらでもあります。
しかし、すべての危険を回避してしまうと、子どもの学びの機会を奪ってしまいかねないケースもあります。なぜなら、体験活動では、あえて小さな危険を体験させることも大切だからです。
子どもを心配しすぎてあらゆる危険から遠ざけてしまう親も少なくありませんが、あえて小さな危険を経験させることで、大きな危険を回避できることにも繋がります。
たとえば、草が生い茂っているところを歩くことで、草で軽い切り傷を負う。火を使って軽い火傷をする。ちょっとした危険を体験させることで、子どもは「こうすると自分が危ない目に遭うんだ」と、自分自身でちゃんと学んでいけるのです。
直接体験によって育まれた力は将来生きていくために必要な力となる
子どもに直接体験をさせることは、自己肯定感や人間関係力など、さまざまな力を育んでくれます。文部科学省が提示するデータからも分かるように、育まれた力は、子どもが将来生きていくうえで必要な力となります。
将来、何か壁にぶつかったとしても、自分で解決策を見つけられる。
意見が違う相手に対し、相手の意見を尊重しつつ、なおかつ自分の意見も主張できる。
など、培った能力を活かして乗り越えられるでしょう。
直接体験をさせるには、アウトドアや職業体験などがおすすめですが、近くの公園などで友だちと遊んだり、自然と触れ合ったりするだけでもOK。
興味や関心を抱く幅が広がり、問題解決能力も向上するでしょう。
子どもの未来に繋がるよう、できることからたくさんの体験をさせてあげてくださいね。
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